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セクター分析

通信大手3社の業績比較 2026年|NTT・KDDI・ソフトバンクの売上・配当・ROE

日本の通信業界を支配する3社、NTT(9432)・KDDI(9433)・ソフトバンク(9434)を、 2025年度の有価証券報告書ベースで横断比較します。安定した高配当株として人気の3社ですが、 売上規模・利益率・配当利回り・財務体質には明確な違いがあります。

公開: 2026-05-21更新: 2026-05-21読了目安: 約6分

1. 3社の主要指標サマリー(2025年度)

企業売上高営業利益率ROEPER配当利回り
NTT943213.70兆円12%8.8%12.13.33%
KDDI94335.84兆円18.6%13%14.65.55%
ソフトバンク94346.54兆円15.1%12.3%18.94.12%

売上規模はNTTが13.7兆円と圧倒的。一方、営業利益率はKDDIが18.6%でトップ、配当利回りもKDDIが5.5%で最も高くなっています。

2. 高配当通信株としての3社の違い

通信3社はいずれも「ディフェンシブな高配当株」として個人投資家に人気ですが、性格は異なります。

  • KDDI:23期連続増配を続ける「配当貴族」。利回り5.5%・営業利益率18.6%と、収益性と還元の両立が3社で最も明確。
  • ソフトバンク:利回り4.1%。配当性向が高めで、自己資本比率26.5%と財務余力は3社で最も薄い。PayPay・LINEヤフーの成長が今後の鍵。
  • NTT:利回り3.3%とやや控えめだが、売上13.7兆円の安定感とPBR1.07倍の割安感が魅力。2023年の25分割で1株単位の投資ハードルが下がった。

配当利回りの考え方は高配当株ランキングも参考にしてください。

3. 各社の特徴と事業構造

NTT9432

売上 13.70兆円/営業利益率 12%/ROE 8.8%/自己資本比率 37.7%/配当利回り 3.33%

売上13.7兆円と3社で群を抜く最大手。NTTドコモ・NTTデータ・NTT東西を束ねる持株会社。2023年の25分割で個人投資家が買いやすくなり、株主数は国内最多級。配当利回り3.3%・PBR1.07倍と、安定配当の代表格。

KDDI9433

売上 5.84兆円/営業利益率 18.6%/ROE 13%/自己資本比率 30.1%/配当利回り 5.55%

営業利益率18.6%は3社トップ。「au」ブランドに加え、金融(auじぶん銀行・auPAY)、電力、DXなど非通信領域を「ライフデザイン」として育成。23期連続増配を続ける配当貴族で、利回り5.5%は3社最高水準。

ソフトバンク9434

売上 6.54兆円/営業利益率 15.1%/ROE 12.3%/自己資本比率 26.5%/配当利回り 4.12%

「ソフトバンク」ブランドの通信に加え、PayPay・LINEヤフーを傘下に持つ。投資会社ソフトバンクグループ(9984)とは別会社である点に注意。自己資本比率26.5%は3社で最も低く、高めの配当性向で利回り4.1%を維持。

4. データの出典と注意点

本記事の業績数値は、各社が金融庁 EDINET に提出した有価証券報告書を金脈コードが独自に抽出・集計したものです(2025年度決算ベース)。 配当利回りは1株配当を直近株価で割って算出しており、株価変動により日々変化します。 本記事は企業比較であり投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。

日本の通信業界 — 寡占3社+1の構造

日本の通信業界は NTT グループ・KDDI・ソフトバンク (旧・ボーダフォン日本法人) の3社による寡占体制に、楽天モバイル (2020年参入) が加わった3+1の構造。携帯電話契約数で NTT ドコモ 40%、KDDI (au) 30%、ソフトバンク 25%、楽天 5% 程度のシェア配分。 各社の特徴: NTT は持株会社 (NTT)、ドコモ (移動)、NTT データ (IT サービス)、NTT 東西 (固定) と巨大グループ。KDDI は au + UQ + povo、固定 (auひかり)、ローソンとの連携。ソフトバンクは 携帯 + ワイモバイル + LINE + Yahoo!。楽天モバイルは赤字続きで黒字化が課題。 業界の特徴は ①寡占で安定的な高収益 (営業利益率 15-20%)、②高配当 (利回り 3-4%) で個人投資家に人気、③5G 投資が一段落で利益率改善期待、④総務省の料金値下げ圧力が継続課題。

業績を左右する論点 — 配当・規制・新事業

①配当の高さと安定性 通信3社 (NTT、KDDI、ソフトバンク) は連続増配で配当利回り 3-4%。退職世代のインカム狙いで人気。 ②規制リスク 総務省の料金値下げ要請が継続。菅政権時の値下げ (2020-2021年) で大幅減益、その後段階的回復。 ③新事業展開 NTT は IOWN (光通信)、KDDI は宇宙・衛星 (Starlink 提携)、ソフトバンクは AI (Arm 子会社、PayPay)。 ④楽天モバイルの脅威 楽天が安価プランで MNP 獲得継続、ただし赤字続きで体力消耗。3+1の構造は維持か。 ⑤バリュエーション NTT PER 11-13倍、KDDI PER 13-15倍、ソフトバンク PER 15-18倍。

通信業界の今後 — 5G・6G・AI

中長期トレンド: ①5G の本格活用 - 産業 IoT、スマート工場、自動運転 - 5G SA (Stand Alone) ネットワーク - メタバース、AR/VR ②6G への投資 - 2030年代の商用化目標 - NTT IOWN、KDDI、ソフトバンクの研究投資 ③AI 統合 - 通信網への AI 統合 (自動運用、需要予測) - ソフトバンクは Arm + AI で次世代戦略 ④海外展開 - KDDI のミャンマー、モンゴル等アジア展開 - ソフトバンクの海外投資 (Vision Fund)

通信3社の財務・株主還元 詳細比較

各社の財務体質と株主還元方針: ①NTT (9432) - 売上 13兆円、営業利益 1.9兆円、営業利益率 14.5% - 配当性向 40%、配当利回り 3.5%、25年連続増配 - 株式分割 (2023年7月、1:25) で個人投資家アクセス向上 - IOWN (光通信) で 6G・量子コンピューティングへの長期投資 - 海外子会社 NTT データ・NTT グループの統合再編進行 ②KDDI (9433) - 売上 6兆円、営業利益 1.1兆円、営業利益率 17.8% - 配当性向 45%、配当利回り 3.5%、22年連続増配 - ローソン共同経営、auじぶん銀行、宇宙 (Starlink 提携) の多角化 - 自社株買い積極化、総還元性向 60% 超 ③ソフトバンク (9434) - 売上 6兆円、営業利益 0.9兆円、営業利益率 15.5% - 配当性向 85%、配当利回り 4.5%、高配当銘柄 - PayPay (1.6億 ID)、LINE ヤフー統合で経済圏拡大 - AI 投資 (Arm 子会社)、Vision Fund 投資先 長期投資視点: 3社とも安定配当 + 緩やかな成長で長期保有向き。NTT が規模 + IOWN 投資、KDDI が高 ROE + 多角化、ソフトバンクが高配当 + AI 投資成果次第。リスク分散で3社均等保有もあり。

よくある質問

Q. 通信3社で最も投資価値が高いのは?

A. 配当狙いなら NTT (利回り 3.5%、連続増配)、KDDI (利回り 3.5%、安定成長)。成長狙いならソフトバンク (AI・投資事業)。安定性と配当のバランスでは KDDI が中庸でおすすめ。

Q. 楽天モバイルは大丈夫?

A. 黒字化は2025年予定だが遅延の可能性。基地局網は構築完了、契約数も800万超だが、累積赤字大きく財務体質弱い。投資先としてはハイリスク・ハイリターン。

Q. 通信株は規制で売られますか?

A. 料金値下げ要請が短期的に株価押し下げ要因。ただし、寡占構造で長期的には安定収益確保。値下げ後の利益回復ストーリーで買い場となることが多い。

Q. NTT 株式分割でどう変わった?

A. 2023年7月に1:25の株式分割で、新NISA に対応した「100株 = 16,000円」程度の少額投資可能銘柄に。個人投資家の購入急増で株価上昇、配当狙いの安定銘柄として人気維持。