1. 3社の主要指標サマリー(2025年度)
| 企業 | 売上高 | 営業利益率 | ROE | PER | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三菱重工業7011 | 5.03兆円 | 6.3% | 9.9% | 34.6倍 | 37.1% |
| 川崎重工業7012 | 2.13兆円 | 5.9% | 12.1% | 17倍 | 24% |
| IHI7013 | 1.63兆円 | 8.8% | 22.2% | 13.9倍 | 22.7% |
売上は三菱重工が5.03兆円で最大。ROEはIHIが22.2%でトップですが、自己資本比率は3社とも20〜37%とやや薄めです。
2. 重工業界を吹く3つの追い風
重工3社の業績は近年大きく改善しました。その背景には共通の追い風があります。
- 防衛費の増額:日本の防衛費はGDP比2%への増額方針が打ち出され、3社とも防衛関連事業(艦艇・航空機・ミサイル等)の受注が拡大しています。
- 民間航空機の回復:コロナ後の航空需要回復で、航空エンジンや機体部品の需要が回復。特にIHI・川崎重工はエンジン部品事業の比率が高く、業績改善に直結しました。
- エネルギー需要:データセンター向け電力需要やLNG火力でガスタービン需要が高まり、三菱重工のエナジー事業を押し上げています。脱炭素関連(水素・アンモニア)も中長期の成長テーマ。
一方で重工業は大型案件の採算次第で利益が振れやすく、自己資本比率も高くありません。追い風が続くかどうかと財務改善の進捗が、株価評価のポイントです。
3. 各社の特徴と事業構造
三菱重工業7011
売上 5.03兆円/営業利益率 6.3%/ROE 9.9%/PER 34.6倍/自己資本比率 37.1%
売上5.03兆円と3社最大。エナジー(火力・原子力・ガスタービン)、防衛・宇宙、航空、物流機器などを抱える総合重工。防衛費増額とガスタービン需要が追い風で、株式市場の期待が高くPER34.6倍・PBR3.44倍。
川崎重工業7012
売上 2.13兆円/営業利益率 5.9%/ROE 12.1%/PER 17倍/自己資本比率 24%
航空エンジン、防衛(潜水艦・ヘリ)、鉄道車両、二輪車(カワサキ)、水素エネルギーと事業が多彩。航空・防衛の回復で2025年度は営業利益が大きく伸びた。自己資本比率24%とやや低めで財務改善が課題。
IHI7013
売上 1.63兆円/営業利益率 8.8%/ROE 22.2%/PER 13.9倍/自己資本比率 22.7%
航空エンジン(民間機向け部品)が収益の柱。防衛、資源・エネルギー、産業機械も手がける。ROE22.2%は3社で突出。航空機需要の回復が業績を大きく押し上げた一方、自己資本比率22.7%と財務基盤は3社で最も薄い。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 重工大手3社で最も売上が大きいのはどこですか?
A. 2025年度の売上高は三菱重工業が約5.03兆円で最大です。次いで川崎重工業2.13兆円、IHI1.63兆円の順です。
Q. 重工大手3社で最もROEが高いのはどこですか?
A. IHIがROE22.2%で突出しています。航空エンジン事業の回復が利益を大きく押し上げました。ただし自己資本比率は22.7%と3社で最も薄い点には注意が必要です。
Q. 重工業界が好調な理由は何ですか?
A. 防衛費の増額、民間航空機需要の回復、ガスタービンなどエネルギー関連需要の高まりが追い風になっています。3社とも防衛・航空関連の事業を持つ点が共通しています。
5. データの出典
本記事の業績数値(売上高・営業利益・ROE・自己資本比率)は、各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した有価証券報告書(2025年度=2026年3月期の本決算)のXBRLデータを、金脈コードが独自に抽出・集計したものです。 PER・PBRは1株当たり指標を直近の株価で計算したもので、株価変動により日々変化します。データ抽出時点は2026年5月です。 本記事は企業比較を目的とした情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。
日本の重工大手3社 — 防衛・宇宙・発電
業績を左右する論点 — 防衛・脱炭素・構造改革
重工業界の今後 — 防衛・宇宙・水素
重工3社の詳細財務 + 防衛事業比率
よくある質問
Q. 防衛費拡大は重工3社の業績にどう影響する?
A. 防衛費の GDP 比 2% への引き上げに伴い、三菱重工・川崎重工・IHI の防衛関連売上は2027年度まで拡大が続く見込みです。防衛事業の受注規模では三菱重工が最大です。
Q. 三菱重工の水素事業は本物?
A. 世界トップクラス。水素ガスタービン、アンモニア混焼発電で技術リード。脱炭素時代の主要技術として中長期成長期待。ただし商用化は2030年代の見込み。
Q. 重工株は景気敏感?
A. 中程度。発電・防衛は政府需要で安定、産業機械・船舶は景気サイクル連動。事業ポートフォリオの広さが安定性を支える。
Q. IHI の不正会計問題はどうなりますか?
A. 2024年に発覚した航空エンジン整備不正で課徴金・損害賠償リスク。短期的には株価重し、長期的には構造改革で再生期待。リスクと回復の両面を見る必要。