1. 4社の主要指標サマリー(2025年度)
| 企業 | 売上高 | 営業利益率 | ROE | PBR | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|---|
| 日立製作所6501 | 9.78兆円 | 9.9% | 10.2% | 2.63倍 | 1.2% |
| ソニーグループ6758 | 12.96兆円 | 10.9% | 13.4% | 2.68倍 | 0.5% |
| パナソニックホールディングス6752 | 8.46兆円 | 5% | 7.5% | 0.85倍 | 2.01% |
| 三菱電機6503 | 5.52兆円 | 7.1% | 8% | 1.39倍 | 1.81% |
売上はソニー(12.96兆円)が最大。ROEはソニー13.4%・日立10.2%が高く、パナソニックはPBR0.85倍と1倍割れになっています。
2. 「総合電機」の解体と各社の進路
かつて「総合電機」と一括りにされた各社は、2010年代以降それぞれ異なる道を歩み、いまや事業構成も収益性もバラバラです。
- 日立:上場子会社22社を整理し、IT・エネルギー・モビリティに集中。「選択と集中」の成功例として市場の評価が高い。
- ソニー:もはや「電機」というより、ゲーム・音楽・映画・イメージセンサー・金融のエンタメ+テック複合企業。ROEも4社最高。
- 三菱電機:FA・空調などB2B領域に強みを持つ堅実経営。派手さはないが安定。
- パナソニック:車載電池・家電・住宅と幅広い事業を抱えるが収益性が低く、PBR1倍割れ。事業ポートフォリオの再構築が最大の課題。
同じ「電気機器」セクターでも、PBRが0.85倍(パナソニック)〜2.68倍(ソニー)と3倍以上の開きがあり、 「総合電機」という括りで見るのはもはや実態に合いません。
3. 各社の特徴と事業構造
日立製作所6501
売上 9.78兆円/営業利益率 9.9%/ROE 10.2%/PBR 2.63倍/配当利回り 1.2%
「Lumada」を軸にしたデジタル・社会インフラ企業へ変貌。上場子会社の整理を進め、IT・エネルギー・モビリティ・コネクティブの4分野に集中。PBR2.6倍は、構造改革を市場が評価している証。総合電機の優等生。
ソニーグループ6758
売上 12.96兆円/営業利益率 10.9%/ROE 13.4%/PBR 2.68倍/配当利回り 0.5%
売上12.96兆円と4社最大。ゲーム(PlayStation)、音楽、映画、イメージセンサー、金融と多角的なエンタメ+テック企業。ROE13.4%は4社トップ。配当利回り0.5%と低いが、これは成長投資と自社株買い重視の還元方針による。
パナソニックホールディングス6752
売上 8.46兆円/営業利益率 5%/ROE 7.5%/PBR 0.85倍/配当利回り 2.01%
車載電池(テスラ向け)、家電、住宅、B2Bソリューションを抱える。営業利益率5.0%・ROE7.5%は4社で最も低く、PBR0.85倍と1倍割れ。事業の選択と集中が進行中で、収益性改善が最大の課題。バリュー株的な位置づけ。
三菱電機6503
売上 5.52兆円/営業利益率 7.1%/ROE 8%/PBR 1.39倍/配当利回り 1.81%
FA(ファクトリーオートメーション)機器、空調、電力システム、宇宙・防衛が強み。派手さはないが堅実なB2B企業。自己資本比率が高く財務は安定。FA・空調の世界需要が業績のドライバー。
4. データの出典と注意点
本記事の業績数値は、各社が金融庁 EDINET に提出した有価証券報告書を金脈コードが独自に抽出・集計したものです(2025年度決算ベース)。 PER・PBR・配当利回りは直近株価ベースで算出しており、株価変動により日々変化します。 本記事は企業比較であり投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。
日本の大手電機4社 — コングロマリットの再編史
業績を左右する論点 — 構造改革進捗・成長事業
電機業界の今後 — DX・GX・防衛
大手電機4社の詳細財務 + 事業セグメント
よくある質問
Q. 電機4社の事業構造の違いは?
A. 日立は構造改革を経て Lumada (デジタル事業) が成長軸になっています。ソニーはゲーム + イメージセンサーで高収益体質です。パナソニックは事業再編の途上にあり、三菱電機は FA・インフラ中心の安定型という構成で、4社の事業構造は大きく異なります。
Q. 日立の Lumada とは?
A. IoT を活用したデジタルソリューション事業。鉄道・電力・産業データを統合分析。日立の成長エンジンで売上の3割超を稼ぐ。米欧での M&A で規模拡大中。
Q. ソニーは何で稼いでいますか?
A. ①ゲーム&ネットワークサービス (PlayStation) ②音楽 ③映画 ④イメージング&センシング (スマホ用センサー世界 No.1) ⑤金融。事業ポートフォリオ分散で景気変動に強い。
Q. パナソニック EV 電池事業の見通しは?
A. テスラ向け電池はパナソニック最大の成長分野。中国 CATL・LG Energy との競争激しいが、技術力で差別化。短期的にコスト圧迫だが、中長期的に EV 市場拡大の恩恵を期待。