1. 3社の主要指標サマリー(2025年度)
| 企業 | 売上高 | ROE | PBR | 自己資本比率 | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|---|
| ヤマトホールディングス9064 | 1.76兆円 | 6.3% | 1.08倍 | 47.4% | 2.24% |
| SGホールディングス9143 | 1.48兆円 | 9.9% | 1.61倍 | 56.2% | 3.33% |
| NIPPON EXPRESS ホールディングス9147 | 2.24兆円 | 4.5% | 0.87倍 | 38.8% | 3.68% |
売上はNIPPON EXPRESSが最大ですがROEは4.5%と低調。SGHDがROE9.9%・配当利回り3.3%と総合的に最も収益性が高い数値を示しています。
2. 物流業を見るときの論点
- EC物流の構造的拡大:ネット通販の普及で宅配個数は長期的に拡大基調。一方、再配達などのコスト高も課題。
- 2024年問題と値上げ:ドライバーの労働時間規制で輸送能力に制約が生じ、各社が宅配料金の値上げを実施。値上げの浸透度が利益率を左右します。
- B2C vs B2B:ヤマトは個人宅配(B2C)中心、SGは法人配送(B2B)と3PL(物流代行)の比率が高い。顧客層の違いが収益安定性に影響します。
- 国際物流:NIPPON EXPRESSは海外売上比率が高く、フォワーディング(輸出入手配)で稼ぐ国際物流型。為替や世界貿易の影響を受けやすい。
3. 各社の特徴と事業構造
ヤマトホールディングス9064
売上 1.76兆円/ROE 6.3%/PBR 1.08倍/自己資本比率 47.4%/配当利回り 2.24%
宅急便のヤマト運輸を中核とする国内宅配最大手。B2C宅配のシェアトップ。EC物流の取り込みと、人件費・燃料費上昇下での値上げ浸透が業績の鍵。自己資本比率47.4%と財務は健全。
SGホールディングス9143
売上 1.48兆円/ROE 9.9%/PBR 1.61倍/自己資本比率 56.2%/配当利回り 3.33%
佐川急便を中核とする物流グループ。法人向け(B2B)に強く、3PL(物流アウトソーシング)も拡大。営業利益率は3社で最も高く、ROE9.9%・配当利回り3.3%。自己資本比率56.2%も3社トップ。
NIPPON EXPRESS ホールディングス9147
売上 2.24兆円/ROE 4.5%/PBR 0.87倍/自己資本比率 38.8%/配当利回り 3.68%
旧・日本通運。売上2.24兆円と3社最大で、国際物流・フォワーディング(輸出入手配)の比率が高い。海外売上比率が高くグローバル展開。営業利益率2.7%・ROE4.5%とやや低調で、PBR0.87倍と1倍割れ。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 物流大手3社で最も売上が大きいのはどこですか?
A. 2025年度の売上高はNIPPON EXPRESS ホールディングス(旧日本通運)が約2.24兆円で最大です。次いでヤマトHD1.76兆円、SGホールディングス1.48兆円の順です。
Q. ヤマトとSG(佐川)の違いは何ですか?
A. ヤマトHDは個人向けの宅急便(B2C)に強みを持ちます。SG(佐川急便)は法人向け(B2B)配送と3PL(物流アウトソーシング)の比率が高めです。両社とも宅配大手ですが、顧客層と収益構造が異なります。
Q. 物流業界の「2024年問題」とは?
A. トラックドライバーの時間外労働の上限規制(年960時間)が2024年4月から適用された問題です。輸送能力の制約と人件費の上昇要因となり、各社は値上げ・宅配料金改定で対応。これが直近の収益性に大きく影響しています。
5. データの出典
本記事の業績数値(売上高・ROE・自己資本比率)は、各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した有価証券報告書(2025年度=2026年3月期の本決算)のXBRLデータを、金脈コードが独自に抽出・集計したものです。 PBR・配当利回りは1株当たり指標を直近の株価で計算したもので、株価変動により日々変化します。データ抽出時点は2026年5月です。 本記事は企業比較を目的とした情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。
日本の物流業界 — 2024年問題と DX
業績を左右する論点 — 値上げ・自動化・EC
物流業界の今後 — 自動化と再編
物流4社の財務 + 事業構成
よくある質問
Q. 物流4社のうち、どれが投資先?
A. EC 連動成長のヤマト HD、利益率重視の SG HD、グローバル物流の日通。投資テーマで選別。配当狙いなら日通 (利回り 3% 超)、成長狙いならヤマト・SG。
Q. 2024年問題で物流株はどうなる?
A. 短期的にコスト圧迫だが、運賃値上げ実現で中長期はプラス。輸送力不足 → 大手集中 → 大手の交渉力強化。中堅・小規模の物流会社は淘汰、大手はシェア拡大の機会。
Q. 物流株は EC で恩恵?
A. はい、特にヤマト HD が最大恩恵。EC 配送量は年率5-10% 拡大、宅配需要は構造的に拡大。ただし利益率は配送単価との戦いで、値上げ実現が鍵。
Q. 自動運転トラックはいつ実用化?
A. 高速道路での隊列走行は 2025-2027年実用化、完全自動運転は 2030年代。実用化されれば人件費削減で大きなインパクト。準備進行中の大手が有利。