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セクター分析

タイヤ大手3社の業績比較 2026年|ブリヂストン・住友ゴム・横浜ゴム

日本のタイヤ業界を代表する3社、ブリヂストン(5108)・住友ゴム工業(5110)・横浜ゴム(5101)を、 2025年度の有価証券報告書ベースで横断比較します。原材料・物流コスト、タイヤ市況、高付加価値分野へのシフトという観点で各社の収益力を整理します。

公開: 2026-05-21更新: 2026-05-21読了目安: 約5分

1. 3社の主要指標サマリー(2025年度)

企業売上高営業利益率ROEPBR配当利回り
ブリヂストン51084.43兆円10%7.5%0.963.69%
住友ゴム工業51101.21兆円0.9%1.5%0.694.59%
横浜ゴム51011.23兆円12.4%10.2%0.921.58%

売上はブリヂストンが4.43兆円で圧倒的。2025年度の収益性は横浜ゴム(営業利益率12.4%)が最も高く、住友ゴムは0.9%と落ち込みました。

2. タイヤ株を見る2つの論点

  • 原材料・市況の影響:タイヤは天然ゴム・合成ゴム・カーボンブラックなどの原材料費と、物流費の影響を受けます。これらのコスト変動を販売価格に転嫁できるか(値上げ力)が利益率を左右します。市況の影響で、同じタイヤ各社でも年度により業績が振れます。
  • 高付加価値分野へのシフト:乗用車用タイヤは交換需要が中心で成長は緩やか。鉱山・建設機械用の大型タイヤ(ブリヂストン)や、農業・建設機械用タイヤ=オフハイウェイタイヤ/OHT(横浜ゴム)といった高付加価値分野を伸ばせるかが、収益性の差につながっています。横浜ゴムがOHT事業の育成で営業利益率を高めたのが好例です。

3. 各社の特徴と事業構造

ブリヂストン5108

売上 4.43兆円/営業利益率 10%/ROE 7.5%/PBR 0.96倍/配当利回り 3.69%

タイヤで世界トップクラスのグローバル企業。乗用車用に加え、鉱山・建設機械用の大型タイヤや航空機タイヤなど高付加価値分野に強い。営業利益率10.0%は3社トップ。配当利回り3.7%・PBR0.96倍とバリュー+インカムの性格。

住友ゴム工業5110

売上 1.21兆円/営業利益率 0.9%/ROE 1.5%/PBR 0.69倍/配当利回り 4.59%

ダンロップ・ファルケンブランドのタイヤメーカー。2025年度は営業利益率0.9%・ROE1.5%と大きく落ち込んだ。米国工場関連の費用や市況の影響が利益を圧迫。PBR0.69倍・配当利回り4.59%と数字上は割安・高配当だが、業績回復が前提。

横浜ゴム5101

売上 1.23兆円/営業利益率 12.4%/ROE 10.2%/PBR 0.92倍/配当利回り 1.58%

ヨコハマタイヤのメーカー。乗用車用に加え、農業機械・建設機械用タイヤ(オフハイウェイタイヤ=OHT)の買収・育成で高収益化に成功。営業利益率12.4%・ROE10.2%は3社トップで、PER9.0倍と割安。

4. よくある質問(FAQ)

Q. タイヤ大手3社で最も売上が大きいのはどこですか?

A. 2025年度の売上高はブリヂストンが約4.43兆円で圧倒的最大です。住友ゴム工業と横浜ゴムはそれぞれ約1.2兆円規模で、ブリヂストンが3社のなかで突出しています。

Q. タイヤ大手3社で最も収益性が高いのはどこですか?

A. 2025年度は横浜ゴムが営業利益率12.4%・ROE10.2%で最も高くなっています。農業・建設機械用タイヤ(OHT)の高収益事業を育てた成果です。ブリヂストンも営業利益率10.0%と高水準です。

Q. 住友ゴムの業績が低調なのはなぜですか?

A. 2025年度の住友ゴム工業は営業利益率0.9%・ROE1.5%と大きく落ち込みました。米国工場関連の費用やタイヤ市況の影響が利益を圧迫したためです。配当利回りは見かけ上高くなりますが、業績回復が前提となります。

5. データの出典

本記事の業績数値(売上高・営業利益・ROE)は、各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した有価証券報告書(2025年度の本決算)のXBRLデータを、金脈コードが独自に抽出・集計したものです。 PBR・配当利回りは1株当たり指標を直近の株価で計算したもので、株価変動により日々変化します。データ抽出時点は2026年5月です。 本記事は企業比較を目的とした情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。

日本のタイヤ業界 — 世界3強の一角ブリヂストン

日本のタイヤ業界は、ブリヂストン (1931年創業、世界トップクラス)、住友ゴム (DUNLOP ブランド、世界5位)、横浜ゴム (YOKOHAMA、世界8位) の3社が中核。世界のタイヤ市場はミシュラン (仏)、ブリヂストン (日)、コンチネンタル (独) で世界3強を形成、規模で寡占。 タイヤ業界の特徴は ①新車向け (OEM) と補修用 (リプレースメント) の両方を持つ ②グローバル展開必須 (新興国市場急成長) ③天然ゴム・合成ゴムなど原材料価格に影響を受ける ④EV 化でタイヤ性能要件 (低転がり抵抗、高荷重) が変化。 ブリヂストンは2024年に米鉱山機械タイヤ大手 Bandag を売却するなど構造改革進行中、住友ゴムはモータースポーツ (DUNLOP) で高ブランド力、横浜ゴムは ATG (農業・産業機械タイヤ) 買収で多角化。

業績を左右する論点 — グローバル・EV・原材料

①グローバル比率 3社とも海外比率 70-80%、為替効果大。 ②EV 化への対応 EV は車重増 + 静音性要求 + 低転がり抵抗が必要、タイヤ性能要件が高度化。ブリヂストン・住友ゴムが対応技術で先行。 ③原材料感応度 天然ゴム (タイ、インドネシア)、合成ゴム (原油由来)、補強材 (カーボンブラック)、スチール。価格変動が利益率に直撃。 ④高機能・高単価戦略 SUV用、EV用、プレミアム車用の高単価タイヤで利益率改善。 ⑤バリュエーション ブリヂストン PER 12-15倍、住友ゴム PER 8-12倍、横浜ゴム PER 7-10倍。配当利回り 3-4%。

タイヤ業界の今後 — EV・サステナビリティ

中長期トレンド: ①EV 専用タイヤ需要拡大 - 低転がり抵抗 (航続距離延長) - 静音性 (エンジン音がないため) - 高荷重対応 (電池搭載で車重増) - ブリヂストン Turanza Eco、住友ゴム の EV 専用ブランド ②サステナビリティ - リサイクルゴム - バイオ素材 - カーボンニュートラル化 ③スマートタイヤ - IoT センサー搭載 - 摩耗・空気圧モニタリング - フリート向けサービス ④新興国市場 - インド、東南アジア、アフリカで需要拡大

タイヤ3社の詳細財務 + ブランド戦略

各社の業績・主要ブランド: ①ブリヂストン (5108) - 売上 4.5兆円、営業利益 4,500億円、営業利益率 10% - 世界シェア 14% (ミシュランと並ぶ世界1-2位) - ブランド: BRIDGESTONE (プレミアム)、FIRESTONE (米国)、DAYTON - 海外比率 80%、北米 50%、欧州 20% - 配当利回り 3-4%、PER 12-15倍、ROE 8-10% ②住友ゴム工業 (5110) - 売上 1.2兆円、営業利益 600億円、営業利益率 5% - 世界シェア 5-6%、世界4-5位 - ブランド: DUNLOP (プレミアム、モタスポ強い)、FALKEN - 海外比率 70%、欧州市場で高ブランド力 - 配当利回り 4-5%、PER 8-12倍 (バリュー) ③横浜ゴム (5101) - 売上 9,300億円、営業利益 800億円、営業利益率 9% - 世界シェア 4%、世界8位 - ブランド: YOKOHAMA、ADVAN (高性能) - ATG (オランダ農機・産業機械タイヤ) 買収で多角化 - 配当利回り 3-4%、PER 7-10倍 長期投資視点: タイヤセクターは世界市場で安定需要、EV 化で交換頻度上昇 + 専用タイヤ高単価化の追い風。バリュー × 高配当狙いには3社とも魅力。規模ならブリヂストン、ブランドなら住友、買収シナジーなら横浜ゴム。

よくある質問

Q. タイヤ3社のうち、どれを買うべき?

A. 規模 + 安定なら ブリヂストン (世界 No.1、配当利回り 3.5%)。プレミアムブランド狙いなら住友ゴム (DUNLOP)。割安感狙いなら横浜ゴム (PER 低め、ATG 買収シナジー期待)。

Q. EV 化でタイヤ業界はどうなる?

A. 需要構造変化だが基本プラス。EV は車重増で交換頻度上昇、専用タイヤで高単価販売可能。ただし対応技術投資負担あり、技術力ある大手 (ブリヂストン、住友ゴム) が有利。

Q. タイヤ株は景気敏感ですか?

A. 中程度。新車向け (OEM) は景気感応度高い、補修用 (リプレースメント) は安定。リプレースメント比率の高い企業 (ブリヂストン約 70%) が景気変動に強い。

Q. 原材料 (ゴム・原油) 高騰でタイヤ株はどうなる?

A. 短期的に利益率圧迫、株価重し。ただし、値上げ実現できる大手は1-2年で利益率回復。価格決定力ある企業 (ブリヂストン、住友ゴム) が有利、価格決定力弱い企業は苦戦継続。