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企業分析

ソフトバンク vs ソフトバンクグループ|全く違う2社の業績比較 2026年

「ソフトバンク」と検索すると2つの上場会社が出てきます。 実はこの2社は業種も事業内容もまったく違う別会社です。 本記事ではソフトバンク(証券コード9434・通信事業)ソフトバンクグループ(証券コード9984・投資会社)の違いを、 2025年度有価証券報告書ベースで業績・配当・ROE・財務体質を比較しながら整理します。

公開: 2026-05-13更新: 2026-05-13読了目安: 約7分

1. なぜ2社あるのか・親子関係の整理

混乱の元は、2018年に行われたソフトバンクグループの通信事業子会社上場にあります。 それまで非上場だった通信事業(旧 ソフトバンク株式会社)を、 親会社のソフトバンクグループ(9984)が東証一部に分離上場させ、 証券コード9434のソフトバンクが新たに誕生しました。

現在の構造は次のようになっています:

  • ソフトバンクグループ(9984・親会社): 投資会社として9434のソフトバンクを約40%、Arm・PayPayなどグローバルテック企業多数を保有
  • ソフトバンク(9434・子会社): 通信・IT事業会社として独立経営。Yahoo!・LINE・PayPayも含む
  • 業種分類が違う: 9434は「情報・通信業」、9984は「その他金融業」

検索結果でも、「ソフトバンク 配当」と入力すると両社が混在して表示されるため、 読者の意図によって参照すべき銘柄が異なります。

2. 2社の主要指標サマリー(2025年度)

最新の2025年3月期決算を、有価証券報告書ベースで一覧します。

企業分類売上純利益ROEPER自己資本比率
ソフトバンク (9434)情報・通信業(事業会社)6.5兆円5,261億円12.3%18.9倍26.5%
ソフトバンクグループ (9984)その他金融業(投資会社)7.2兆円1.2兆円8.3%9.6倍31%

※ 売上規模は両社とも6-7兆円台で近いものの、事業内容と収益構造はまったく異なる。

3. ソフトバンク(9434): 通信事業の安定収益

9434のソフトバンクは、日本の3大携帯キャリアの1つで、楽天モバイル進出後の競争激化下でも安定した利益体質を維持しています。

事業セグメントは大きく次の4つ:

  • コンシューマ: 携帯電話、固定通信(光ファイバー)、電気販売
  • エンタープライズ: 法人向け通信・クラウド・セキュリティ
  • ディストリビューション: ソフトバンクC&Sを通じたITプロダクト販売
  • メディア・EC: Yahoo!・LINE・PayPay・ZOZOなどLINEヤフー連結

2025年度の業績は売上6.5兆円、営業利益9,890億円、純利益5,261億円。 営業利益率15.1%・ROE 12.3%は通信業界の中でも上位水準です。 自己資本比率は26.5%とやや低めですが、これは通信業特有の長期借入による設備投資に起因します。

4. ソフトバンクグループ(9984): AIブームでV字回復

9984のソフトバンクグループは事業会社ではなく投資会社です。 主な保有資産は次のとおりです:

  • ソフトバンク(9434): 約40%保有・連結子会社
  • Arm Holdings(米英NASDAQ上場): 約90%保有・半導体IP最大手
  • Vision Fund 1・2: 世界中のテックスタートアップ数百社に投資
  • PayPay・LINEヤフー: 国内デジタル決済・サービス

業績は保有テック株の時価評価変動で大きく振れる構造です。

  • 2023年度: 純利益−9,701億円(テック株調整)
  • 2024年度: 純利益−2,276億円(緩やか調整)
  • 2025年度: 純利益+1.2兆円(AIブームでArm時価10倍)

2025年度の急回復は、ARM上場(2023年9月)以降の同社株価が約10倍に上昇したことや、 NVIDIA等のAI関連株保有による評価益が主因です。 PERは9.6倍と低めですが、これは「投資会社」の評価が難しいことを反映しています。

5. 配当政策の根本的違い

両社の配当政策はまったく異なります。

企業2023年度2024年度2025年度方針
ソフトバンク(9434)85円85円86円配当性向85%目処・累進的
ソフトバンクG(9984)48円44円44円業績連動で変動・赤字でも実施

ソフトバンク(9434)は通信事業のキャッシュフロー安定性を背景に、 配当性向85%程度を目処に高配当を維持。85-86円で3年連続のほぼ横ばい。 配当利回りは4-5%台と通信業界でも高水準です。

ソフトバンクグループ(9984)は2023〜2024年度に赤字を計上しながらも配当を継続。 ただし2023年度48円→2024年度44円と微減しており、業績連動性も持っています。 配当性向は赤字下では計算できませんが、内部留保からの配当維持という方針が読み取れます。

6. どちらに投資するか

ソフトバンク(9434)に向く投資家

  • 安定配当を求める長期投資家
  • 5G・FTTHなど通信需要の伸びを取り込みたい
  • Yahoo!・LINE・PayPayの国内デジタル経済
  • 業績変動の小さい銘柄を好む

ソフトバンクグループ(9984)に向く投資家

  • AI・テック株の急成長を間接的に取り込みたい
  • Arm・OpenAI・Coupangなど世界的テック株
  • 業績の大きな変動を受け入れられる
  • NAV(純資産価値)割引取引の妙味を狙う

両社とも「ソフトバンク」という名前を共有していますが、投資判断軸はまったく違います。 通信事業の安定キャッシュフローを買うなら9434、グローバルテック投資のリターンを狙うなら9984です。

7. データの出典と注意点

本記事の数値はすべて、各社が EDINET(金融庁の電子開示システム)に提出した有価証券報告書のXBRLデータに基づいています。

  • 純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
  • ソフトバンクグループ(9984)の業績は保有株式の評価益・評価損の影響を強く受ける
  • 9984は2023〜2024年度の赤字で配当性向算出不能のためPERは「N/A」
  • 会計基準: 両社ともIFRSを採用
  • 本記事は事実分析であり投資推奨ではない
本記事は有価証券報告書のデータに基づく事実分析であり、投資助言や個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。 投資判断は最新情報を確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

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ソフトバンクグループ vs ソフトバンク — 投資会社と通信会社の違い

「ソフトバンク」を名乗る2社は全く異なる事業構造です。 ソフトバンクグループ (9984) は孫正義氏が率いる投資持株会社。Vision Fund (12兆円規模、世界最大級の VC ファンド)、Arm (英半導体IP企業、子会社化)、Alibaba (中国EC) などへの投資が業績を左右。事業会社というより「投資会社」の性格が強く、業績はマーク・トゥ・マーケット (時価評価) で大きく変動。 ソフトバンク (9434) は通信会社。携帯 (SoftBank、ワイモバイル、LINEMO)、固定通信、ヤフー、LINE、PayPay を運営。安定的な通信収益と DX (デジタル化) 事業で堅実成長。 投資家が「ソフトバンク」を買う時は、どちらかを明確にする必要あり: 安定配当・通信ビジネス重視なら ソフトバンク (9434)、ハイリスク・ハイリターンの投資ビジネス重視なら ソフトバンクグループ (9984)。

業績を左右する論点 — Arm・AI・投資資産

①Arm の上場成功 2023年9月にNasdaq上場、時価総額10兆円超。ソフトバンクGの保有比率 90% で資産価値急上昇。AI 半導体需要拡大で更なる成長期待。 ②Vision Fund の業績変動 スタートアップ投資の時価評価で四半期業績が大きく変動。WeWork 失敗、中国規制強化等で過去損失も。 ③Alibaba 保有株の処分 ソフトバンクGは保有 Alibaba 株を段階的に売却済 (リスク資産削減)。 ④通信事業 (9434) の安定性 ARPU (顧客単価) は減少傾向だが、契約数 + 法人 IT サービスで安定収益。 ⑤バリュエーション ソフトバンクG: NAV (純資産価値) ベースで PBR 0.5-0.7倍と割安に放置。投資家不信が原因。 ソフトバンク (9434): PER 16-18倍、配当利回り 4% で個人投資家に人気。

ソフトバンク両社の今後 — AI と通信

中長期トレンド: ソフトバンクグループ: - Arm が AI 半導体 IP で世界トップ、英 ARM 上場後の追加売却の可能性 - Vision Fund 2 の運用、新規スタートアップ投資 - 孫正義氏の AI 戦略 (OpenAI、AI チップへの投資拡大) - リスク: 投資先評価額の急変、米中規制 ソフトバンク (9434): - PayPay (経済圏 1億ユーザー) - LINE と Yahoo の統合 (LINE ヤフー) - 法人 IT サービス (ソフトバンク IT) - 通信 + EC + 決済の統合プラットフォーム

よくある質問

Q. 9984 と 9434 は何がどう違う?

A. 9434 (ソフトバンク) は通信事業が主体で、配当利回り 4% 前後の安定配当型です。9984 (ソフトバンクグループ) は Arm や AI 関連への投資持株会社で、投資資産の評価損益により業績が大きく振れます。同じ「ソフトバンク」の名を持ちますが事業構造は全く異なります。

Q. ソフトバンクGの NAV ディスカウントとは?

A. 保有投資資産の時価合計 (NAV) が時価総額より大きい状態。2024年時点で NAV 約 30兆円 vs 時価総額 約 10-15兆円で、約 50-60% のディスカウント。投資家不信、コーポレートガバナンス懸念が背景。

Q. 孫正義氏の AI 戦略は成功する?

A. 不確定。OpenAI への投資、新 AI チップ事業など意欲的だが、巨額投資のリターン回収は不透明。Arm の AI 半導体IP は成功軌道、Vision Fund 全体は途上。

Q. ソフトバンク (9434) の配当 4% は持続可能?

A. 通信事業の安定収益で配当維持力高い。配当性向 80% 超とやや高めだが、楽天モバイルとの競争次第。LINE ヤフー統合、PayPay 経済圏拡大で長期的に安定。