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セクター分析

外食大手4社の業績比較 2026年|ゼンショー・すかいらーく・マクドナルド・くら寿司

日本の外食業界を代表する4社、ゼンショーホールディングス(7550)・すかいらーくホールディングス(3197)・日本マクドナルドホールディングス(2702)・くら寿司(2695)を、 2025年度の有価証券報告書ベースで横断比較します。値上げの浸透と人件費・原材料費上昇のなかで、各社の収益力には大きな差が出ています。

公開: 2026-05-21更新: 2026-05-21読了目安: 約5分

1. 4社の主要指標サマリー(2025年度)

企業売上高営業利益率ROEPERPBR
ゼンショーホールディングス75501.14兆円6.3%16.4%33.56.03
すかいらーくホールディングス31974,578億円6.5%8.9%45.74.08
日本マクドナルドホールディングス27024,166億円12.5%12.1%25.13.03
くら寿司26952,451億円2.5%4.2%36.62.12

日本マクドナルドが営業利益率12.5%で別格。ゼンショーはROE16.4%と高ROE経営。くら寿司は原材料高の影響で利益率が低めです。

2. 外食業の収益モデルの違い

外食業の利益率は3〜13%と幅広く、ビジネスモデルで大きく差が出ます。

  • FCモデル(マクドナルド):フランチャイズ加盟店からロイヤリティ収入を得る軽資産型。利益率が構造的に高い。マクドナルドが他社を圧倒する利益率はこの構造が背景。
  • 直営チェーン(すかいらーく・くら寿司):自社で店舗運営。売上は大きいが、人件費・地代・食材費を直接負担するため利益率は低め。
  • 多業態M&A型(ゼンショー):M&Aで多ブランドを抱える。規模の利益と海外展開でROEを高めるが、本業の利益率は中程度。
  • 共通の逆風:人件費上昇、最低賃金引き上げ、原材料・エネルギー高。値上げ転嫁が進まなければ利益を圧迫。逆に値上げが浸透した企業は利益率改善。

3. 各社の特徴と事業構造

ゼンショーホールディングス7550

売上 1.14兆円/営業利益率 6.3%/ROE 16.4%

すき家・ココス・ジョリーパスタなど多業態を擁する外食最大手。M&Aと多ブランド展開で売上1.14兆円と業界トップ。ROE16.4%は4社で最も高く、海外展開も積極的。PBR6.03倍は「成長型外食株」としての高い期待を反映。

すかいらーくホールディングス3197

売上 4,578億円/営業利益率 6.5%/ROE 8.9%

ガスト・しゃぶ葉・バーミヤン等のファミレス最大手。配膳ロボット導入による省人化や、値上げの浸透で営業利益率6.5%を確保。コロナ禍の不振から回復し、PER45倍と期待値が高い。

日本マクドナルドホールディングス2702

売上 4,166億円/営業利益率 12.5%/ROE 12.1%

営業利益率12.5%・自己資本比率77%と4社で別格の高収益・好財務。FC(フランチャイズ)モデルでロイヤリティ収入の比率が高く、利益率が安定。グローバルブランドとデジタル(モバイルオーダー)戦略が強み。

くら寿司2695

売上 2,451億円/営業利益率 2.5%/ROE 4.2%

回転寿司大手。米国・台湾など海外出店を加速。原材料(魚介)高騰の影響で営業利益率2.5%と低迷。海外事業の収益化と国内の客単価向上が業績回復の鍵。

4. よくある質問(FAQ)

Q. 外食大手4社で最も売上が大きいのはどこですか?

A. 2025年度の売上高はゼンショーホールディングスが約1.14兆円で最大です。次いですかいらーくHD4,578億円、日本マクドナルドHD4,166億円、くら寿司2,451億円の順です。

Q. 外食大手4社で最も利益率が高いのはどこですか?

A. 日本マクドナルドホールディングスが営業利益率12.5%で4社のなかで突出しています。フランチャイズ(FC)モデルによるロイヤリティ収入の比率が高く、利益率が構造的に安定するためです。

Q. なぜゼンショーは多様な飲食ブランドを持っているのですか?

A. M&Aによる多ブランド戦略で規模を拡大してきたためです。すき家を起点に、ココス、ジョリーパスタ、はま寿司など業態を広げ、リスク分散と規模のメリットを追求しています。海外展開も積極的です。

5. データの出典

本記事の業績数値(売上高・営業利益・ROE)は、各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した有価証券報告書のXBRLデータを、金脈コードが独自に抽出・集計したものです。決算期は各社で異なり、日本マクドナルドHDは12月期、ゼンショーHDは3月期、すかいらーくHDは12月期、くら寿司は10月期の本決算ベースです。 PER・PBR・配当利回りは1株当たり指標を直近の株価で計算したもので、株価変動により日々変化します。データ抽出時点は2026年5月です。 本記事は企業比較を目的とした情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。

日本の外食業界 — 人手不足と値上げ実現の二大論点

日本の外食市場は約 25兆円規模で、コロナ前 (2019年) 比で2024年にようやく回復しました。業界全体の構造変化として ①人手不足の深刻化、②原材料・物流費高騰、③消費者の節約志向と二極化、④インバウンド需要回復が同時進行しています。 ゼンショー HD はすき家・ココス・ビッグボーイなど多業態を擁し、売上は外食業界トップ。M&A 戦略で海外展開も加速。マクドナルド (日本マクドナルド HD) は世界最大のファストフードチェーンの日本法人で、ブランド力と効率経営で高 ROE を維持。 すかいらーく HD はガスト・ジョナサン・バーミヤンなどファミレス中心、配膳ロボット導入で人手不足対策を先行。くら寿司は回転寿司業界のリーダー、海外展開 (米国・台湾) で着実に成長。

業績を左右する論点 — 値上げ・自動化・店舗網

外食セクターの業績を見る論点: ①値上げ実現と数量維持のバランス 原材料・人件費高騰を価格転嫁できる企業 (マクドナルド、くら寿司) と苦戦する企業 (ファミレス) で分化。価格弾力性が業績を左右。 ②自動化・省人化投資 配膳ロボット (すかいらーく)、レーン搬送 (回転寿司)、セルフレジ、モバイルオーダー導入が人件費抑制の鍵。投資余力ある大手が有利。 ③海外展開 日本の人口減で国内市場は縮小、海外展開できる企業のみが長期成長可能。ゼンショー (すき家米国・東南アジア)、くら寿司 (米国主軸)、マクドナルド (グローバルチェーン) が該当。 ④インバウンド取り込み 訪日客向けの店舗・メニュー対応で売上拡大可能。回転寿司・ラーメン業態がインバウンドで強い。

外食業界の今後 — DX とプレミアム化

外食業界の中長期トレンド: ①DX (デジタル化) - モバイルオーダー、テーブルオーダー、AI 需要予測 - ゴーストキッチン、デリバリー専門店舗 - 配膳ロボット (すかいらーく既に3,000台超導入) ②プレミアム化と二極化 - 高単価 × プレミアム店舗 (寿司、和食、コース料理) - 低単価 × 効率店舗 (ファストフード、回転寿司) - 中間層 (ファミレス) は厳しい ③グローバル展開 - 米国市場 (日本食ブーム継続) - 東南アジア (中間層拡大) - 中国 (日系外食撤退の局面も) ④健康・サステナビリティ - 植物由来メニュー - 低糖質・低カロリー - フードロス削減

外食4社の財務 + 業態・店舗網

各社の業績・主要業態: ①ゼンショー HD (7550): 売上 1兆円、営業利益 500億円 - すき家、ココス、ビッグボーイ、はま寿司、なか卯等多業態 - 国内 + 米国・中国・東南アジア展開 - 配当利回り 1%、PER 30-40倍 (高 PER グロース) ②日本マクドナルド HD (2702): 売上 4,000億円、営業利益 400億円 - 国内マクドナルド 2,900店舗 (日本最大ファストフード) - ROE 15-20%、配当性向 50% 超 - 配当利回り 1.5%、PER 20-25倍 ③すかいらーく HD (3197): 売上 4,000億円、営業利益 200億円 - ガスト、ジョナサン、バーミヤン、夢庵 等 3,000店舗 - 配膳ロボット (Bear Robotics 製) 3,000台超導入で人手不足対応 - 配当利回り 0.7%、PER 30倍超 ④くら寿司 (2695): 売上 2,500億円、営業利益 100億円 - 回転寿司 600店舗 (国内 500、米国 50、台湾 50) - 米国市場 + 台湾市場で成長 - 配当利回り 1%、PER 25-30倍 長期投資視点: 多業態 + 海外展開のゼンショー、ブランド + 効率のマクドナルド、自動化先進のすかいらーく、海外展開のくら寿司。事業特性で選別。

よくある質問

Q. 外食株は景気敏感ですか?

A. 中程度。景気後退期はファミレスや高単価店舗に影響大、ファストフード・回転寿司は値ごろ感で逆に恩恵。ディフェンシブとシクリカルの中間に位置。配当狙いなら安定収益のマクドナルド、成長狙いなら海外展開中のくら寿司・ゼンショーが選択肢。

Q. 人手不足は外食業界にどう影響しますか?

A. ①人件費上昇 (時給1,200-1,500円が普通に) ②採用難で店舗閉鎖を余儀なく ③省人化投資が必須 ④賃上げ実現できない中小店の撤退で大手にシェア流入。短期的にはコスト圧迫、中長期的には大手チェーンに有利な構造変化。

Q. インバウンド需要は外食株を押し上げますか?

A. 業態次第。回転寿司 (くら寿司、スシロー)、ラーメン (一風堂)、和食、焼肉などは強い恩恵。ファミレス、洋食チェーンはインバウンド効果限定的。訪日客向けメニュー・多言語対応・キャッシュレス決済導入の進度が業績差に出ます。

Q. 海外展開している外食株のリスクは?

A. ①為替リスク (現地通貨建て売上 × 円換算) ②現地競合 (米国はマクドナルド、中国は地元チェーン) ③文化・規制対応 (食材調達、衛生規制、労働法) ④初期投資の回収期間長い (3-5年) ⑤撤退時の特別損失。日本企業の海外外食は試行錯誤の段階で、成功事例 (くら寿司米国) と失敗事例 (大戸屋中国撤退) が混在しています。