1. 4社の主要指標サマリー(2025年度)
| 企業 | 売上高 | 営業利益率 | ROE | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| ゼンショーホールディングス7550 | 1.14兆円 | 6.3% | 16.4% | 33.5倍 | 6.03倍 |
| すかいらーくホールディングス3197 | 4,578億円 | 6.5% | 8.9% | 45.7倍 | 4.08倍 |
| 日本マクドナルドホールディングス2702 | 4,166億円 | 12.5% | 12.1% | 25.1倍 | 3.03倍 |
| くら寿司2695 | 2,451億円 | 2.5% | 4.2% | 36.6倍 | 2.12倍 |
日本マクドナルドが営業利益率12.5%で別格。ゼンショーはROE16.4%と高ROE経営。くら寿司は原材料高の影響で利益率が低めです。
2. 外食業の収益モデルの違い
外食業の利益率は3〜13%と幅広く、ビジネスモデルで大きく差が出ます。
- FCモデル(マクドナルド):フランチャイズ加盟店からロイヤリティ収入を得る軽資産型。利益率が構造的に高い。マクドナルドが他社を圧倒する利益率はこの構造が背景。
- 直営チェーン(すかいらーく・くら寿司):自社で店舗運営。売上は大きいが、人件費・地代・食材費を直接負担するため利益率は低め。
- 多業態M&A型(ゼンショー):M&Aで多ブランドを抱える。規模の利益と海外展開でROEを高めるが、本業の利益率は中程度。
- 共通の逆風:人件費上昇、最低賃金引き上げ、原材料・エネルギー高。値上げ転嫁が進まなければ利益を圧迫。逆に値上げが浸透した企業は利益率改善。
3. 各社の特徴と事業構造
ゼンショーホールディングス7550
売上 1.14兆円/営業利益率 6.3%/ROE 16.4%
すき家・ココス・ジョリーパスタなど多業態を擁する外食最大手。M&Aと多ブランド展開で売上1.14兆円と業界トップ。ROE16.4%は4社で最も高く、海外展開も積極的。PBR6.03倍は「成長型外食株」としての高い期待を反映。
すかいらーくホールディングス3197
売上 4,578億円/営業利益率 6.5%/ROE 8.9%
ガスト・しゃぶ葉・バーミヤン等のファミレス最大手。配膳ロボット導入による省人化や、値上げの浸透で営業利益率6.5%を確保。コロナ禍の不振から回復し、PER45倍と期待値が高い。
日本マクドナルドホールディングス2702
売上 4,166億円/営業利益率 12.5%/ROE 12.1%
営業利益率12.5%・自己資本比率77%と4社で別格の高収益・好財務。FC(フランチャイズ)モデルでロイヤリティ収入の比率が高く、利益率が安定。グローバルブランドとデジタル(モバイルオーダー)戦略が強み。
くら寿司2695
売上 2,451億円/営業利益率 2.5%/ROE 4.2%
回転寿司大手。米国・台湾など海外出店を加速。原材料(魚介)高騰の影響で営業利益率2.5%と低迷。海外事業の収益化と国内の客単価向上が業績回復の鍵。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 外食大手4社で最も売上が大きいのはどこですか?
A. 2025年度の売上高はゼンショーホールディングスが約1.14兆円で最大です。次いですかいらーくHD4,578億円、日本マクドナルドHD4,166億円、くら寿司2,451億円の順です。
Q. 外食大手4社で最も利益率が高いのはどこですか?
A. 日本マクドナルドホールディングスが営業利益率12.5%で4社のなかで突出しています。フランチャイズ(FC)モデルによるロイヤリティ収入の比率が高く、利益率が構造的に安定するためです。
Q. なぜゼンショーは多様な飲食ブランドを持っているのですか?
A. M&Aによる多ブランド戦略で規模を拡大してきたためです。すき家を起点に、ココス、ジョリーパスタ、はま寿司など業態を広げ、リスク分散と規模のメリットを追求しています。海外展開も積極的です。
5. データの出典
本記事の業績数値(売上高・営業利益・ROE)は、各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した有価証券報告書のXBRLデータを、金脈コードが独自に抽出・集計したものです。決算期は各社で異なり、日本マクドナルドHDは12月期、ゼンショーHDは3月期、すかいらーくHDは12月期、くら寿司は10月期の本決算ベースです。 PER・PBR・配当利回りは1株当たり指標を直近の株価で計算したもので、株価変動により日々変化します。データ抽出時点は2026年5月です。 本記事は企業比較を目的とした情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。
日本の外食業界 — 人手不足と値上げ実現の二大論点
業績を左右する論点 — 値上げ・自動化・店舗網
外食業界の今後 — DX とプレミアム化
外食4社の財務 + 業態・店舗網
よくある質問
Q. 外食株は景気敏感ですか?
A. 中程度。景気後退期はファミレスや高単価店舗に影響大、ファストフード・回転寿司は値ごろ感で逆に恩恵。ディフェンシブとシクリカルの中間に位置。配当狙いなら安定収益のマクドナルド、成長狙いなら海外展開中のくら寿司・ゼンショーが選択肢。
Q. 人手不足は外食業界にどう影響しますか?
A. ①人件費上昇 (時給1,200-1,500円が普通に) ②採用難で店舗閉鎖を余儀なく ③省人化投資が必須 ④賃上げ実現できない中小店の撤退で大手にシェア流入。短期的にはコスト圧迫、中長期的には大手チェーンに有利な構造変化。
Q. インバウンド需要は外食株を押し上げますか?
A. 業態次第。回転寿司 (くら寿司、スシロー)、ラーメン (一風堂)、和食、焼肉などは強い恩恵。ファミレス、洋食チェーンはインバウンド効果限定的。訪日客向けメニュー・多言語対応・キャッシュレス決済導入の進度が業績差に出ます。
Q. 海外展開している外食株のリスクは?
A. ①為替リスク (現地通貨建て売上 × 円換算) ②現地競合 (米国はマクドナルド、中国は地元チェーン) ③文化・規制対応 (食材調達、衛生規制、労働法) ④初期投資の回収期間長い (3-5年) ⑤撤退時の特別損失。日本企業の海外外食は試行錯誤の段階で、成功事例 (くら寿司米国) と失敗事例 (大戸屋中国撤退) が混在しています。