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セクター分析

ドラッグストア大手4社の業績比較 2026年|ツルハ・コスモス薬品・スギHD・マツキヨココカラ

日本のドラッグストア業界を代表する4社、ツルハホールディングス(3391)・コスモス薬品(3349)・スギホールディングス(7649)・マツキヨココカラ&カンパニー(3088)を、 2025年度の有価証券報告書ベースで横断比較します。業界再編が進むなか、各社の収益力とビジネスモデルの違いを整理します。

公開: 2026-05-21更新: 2026-05-21読了目安: 約6分

1. 4社の主要指標サマリー(2025年度)

企業売上高営業利益率ROEPER配当利回り
ツルハホールディングス33911.03兆円4.6%7.1%21.7倍2.8%
コスモス薬品33495,372億円4.1%5.4%
スギホールディングス76498,780億円4.8%10.3%19倍1%
マツキヨココカラ&カンパニー30881.06兆円8.1%10.5%17.5倍1.73%

売上はマツキヨココカラとツルハが1兆円超で並びます。収益性はマツキヨココカラとスギHDが優位で、ROE10%超を実現しています。

2. 業界再編とビジネスモデルの違い

ドラッグストアは「医薬品」だけを売る業態ではなく、化粧品・日用品・食品まで扱う総合小売業態に進化しています。各社のビジネスモデルには明確な違いがあります。

  • 食品強化型(コスモス薬品):食品比率を高めた「メガドラッグ」業態。地方の小商圏で集客力を持つ低価格訴求型。
  • 調剤併設型(スギHD):処方箋を扱う調剤薬局を併設し、医療と小売を一体運営。利益率の高い調剤事業が業績を押し上げる。
  • 化粧品・インバウンド強化型(マツキヨココカラ):駅前・繁華街立地で化粧品・インバウンド需要を取り込む。営業利益率8%超は業界では高水準。
  • 業界再編:2021年マツモトキヨシ×ココカラファインの統合、2025年ツルハHDがイオングループ傘下入りなど、規模拡大の動きが続く。仕入れ・物流・PB商品開発でのスケールメリットが背景。

3. 各社の特徴と事業構造

ツルハホールディングス3391

売上 1.03兆円/営業利益率 4.6%/ROE 7.1%

北海道を地盤に全国展開する大手ドラッグストア。2025年からイオン傘下に入り、業界再編の中心的な存在に。売上1.03兆円は業界トップクラス。営業利益率4.6%・ROE7.1%とドラッグストアらしい薄利だが安定収益型。

コスモス薬品3349

売上 5,372億円/営業利益率 4.1%/ROE 5.4%

九州・西日本中心の小商圏ドラッグストア。食品比率が高い「メガドラッグ」業態で、低価格訴求が強み。決算期は5月で本記事の株価指標は算出時点で—表示。出店ペースの速さと地域密着型の運営が特徴。

スギホールディングス7649

売上 8,780億円/営業利益率 4.8%/ROE 10.3%

愛知・関西を中心に展開。調剤薬局併設型の比率が高く、医療連携を強化。ROE10.3%は4社で最も高水準で、調剤事業の利益貢献が業績を押し上げている。

マツキヨココカラ&カンパニー3088

売上 1.06兆円/営業利益率 8.1%/ROE 10.5%

2021年にマツモトキヨシとココカラファインの統合で誕生。営業利益率8.1%・ROE10.5%・自己資本比率73.2%と4社で最も高収益・好財務。インバウンド需要の取り込みに長け、化粧品の比率が高い。

4. よくある質問(FAQ)

Q. ドラッグストア大手4社で最も売上が大きいのはどこですか?

A. 2025年度の売上高はマツキヨココカラ&カンパニーが約1.06兆円、ツルハホールディングスが約1.03兆円で、この2社が業界トップクラスです。次いでスギHD8,780億円、コスモス薬品5,372億円の順です。

Q. ドラッグストア大手4社で最も収益性が高いのはどこですか?

A. マツキヨココカラ&カンパニーが営業利益率8.1%・ROE10.5%で4社トップです。化粧品の比率が高く、インバウンド需要も取り込んでいることが背景です。

Q. ドラッグストア業界はなぜ再編が進んでいるのですか?

A. 医薬品・化粧品・食品まで扱う総合小売化が進み、規模のメリット(仕入れ・物流・PB商品開発)が効きやすい業態だからです。ツルハHDのイオングループ入り、マツキヨ・ココカラの統合など、規模拡大の動きが続いています。

5. データの出典

本記事の業績数値(売上高・営業利益・ROE・自己資本比率)は、各社が金融庁の開示システムEDINETに提出した有価証券報告書のXBRLデータを、金脈コードが独自に抽出・集計したものです。決算期は各社で異なり、コスモス薬品は5月期、ツルハHD・スギHDは2月期、マツキヨココカラは3月期の本決算ベースです。 PER・配当利回りは1株当たり指標を直近の株価で計算したもので、株価変動により日々変化します。決算期と株価基準日の関係で算出できない指標は「—」と表示しています。データ抽出時点は2026年5月です。 本記事は企業比較を目的とした情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断の最終責任はご自身でお願いします。

日本のドラッグストア業界 — 再編加速と異業種シェア奪取

日本のドラッグストア市場は 2000年代以降、年率 5-7% で成長を続け、2024年には市場規模 9兆円超に達しました。コンビニ (10兆円) に肉薄し、スーパーマーケットの一部 (食品・日用品) のシェアを奪い続けています。 業界の特徴は ①医薬品の販売 (調剤・OTC) という参入障壁、②食品・日用品まで拡大した品揃え、③出店密度の高い小商圏戦略、④高い在庫回転率と効率経営です。 ツルハ HD (北海道発祥)、コスモス薬品 (九州発祥)、スギ HD (中部発祥)、マツキヨココカラ (関東発祥、2021年経営統合) が業界トップ4。地域基盤を持つ4社が全国展開で激しいシェア競争を展開しています。 業界再編も加速: マツモトキヨシ × ココカラファイン統合 (2021)、ウエルシア × ツルハ統合協議 (2024-2025) など、規模拡大による交渉力・効率性・PB 商品開発力の差別化が進行中。

業績を左右する論点 — 食品比率・PB・調剤

ドラッグストアセクターの業績を見る論点: ①食品比率の高さ コスモス薬品は食品比率 60% 超で「ディスカウントストア化」が特徴。集客力高く売上拡大ペース速い。一方、利益率はやや低い。マツキヨココカラは化粧品・OTC 中心で食品比率低く、利益率は高め。 ②PB (プライベートブランド) 戦略 PB 比率が高いほど利益率改善。ツルハ・コスモス・スギは PB 開発に積極投資。マツキヨココカラはコスメ PB「matsukiyo lab」で差別化。 ③調剤事業の収益性 調剤併設店舗の比率が高い企業は薬価改定リスクあるが、安定収益源。スギ HD は調剤比率高め、ツルハも調剤強化中。 ④インバウンド需要 化粧品 (マツキヨ)、薬品、お土産需要。マツキヨココカラの利益の数割が訪日客寄与。

ドラッグストア業界の今後 — 規模拡大とDX

中長期トレンド: ①更なる業界再編 - 上位4社で業界シェア 50% 程度、欧米 (上位3社で80%) に比べてまだ集約余地大 - ウエルシア × ツルハ統合 (2025年予定) で業界トップに - 中堅 (クリエイト SD、サンドラッグ、コスモス) の合従連衡 ②食品・日用品でスーパー・コンビニとの競合激化 - スーパー (イオン、ライフ) の医薬品扱い拡大 - コンビニ (セブン・ローソン) の薬剤師常駐店舗実験 - ドラッグストアは食品で対抗、価格競争激化 ③DX・自動化 - セルフレジ、モバイル決済 - 在庫管理 AI、需要予測 - 配送・宅配 (Amazon, ヨドバシとの提携検討) ④調剤事業の構造変化 - オンライン服薬指導 - リフィル処方箋 - 地域包括ケアでの役割増大

ドラッグストア4社の財務 + 店舗網

各社の業績・店舗網: ①ツルハ HD (3391): 売上 1兆円、営業利益 500億円 - 国内 2,500店舗、北海道発祥で全国展開 - ウエルシア HD と統合協議 (2025年完了予定) で業界 No.1へ - 配当利回り 2-2.5%、PER 15-18倍 ②コスモス薬品 (3349): 売上 9,000億円、営業利益 350億円 - 国内 1,500店舗、九州発祥で全国展開 - 食品比率 60% で「ディスカウントストア化」が特徴 - 配当利回り 0.7-1%、PER 18-22倍 (高成長で高評価) - 売上拡大ペース業界最速 ③スギ HD (7649): 売上 8,000億円、営業利益 400億円 - 国内 1,800店舗、中部発祥 - 調剤併設店舗多い (調剤比率 30% 超) - 配当利回り 1.5%、PER 18-22倍 ④マツキヨココカラ (3088): 売上 1兆円、営業利益 700億円 - 国内 3,500店舗 (マツモトキヨシ + ココカラファイン 統合) - 化粧品 + 訪日インバウンドで利益率高い - 配当利回り 2%、PER 14-18倍 長期投資視点: 統合シナリオのツルハ、急成長のコスモス、調剤のスギ、インバウンド + 化粧品のマツキヨココカラ。各社で特性異なる。

よくある質問

Q. ドラッグストア4社の戦略の違いは?

A. コスモス薬品は出店ペースが速く、ディスカウント戦略で売上を急拡大しています。ツルハ HD はウエルシアとの統合協議により業界トップ規模を目指しています。スギ HD は調剤に強く関東中心の展開です。マツキヨココカラはインバウンド回復の恩恵と化粧品 PB での差別化が特徴で、4社の戦略は明確に異なります。

Q. ドラッグストアは景気敏感ですか?

A. 比較的ディフェンシブ。医薬品・日用品・食品が中核で景気変動の影響は小さい。むしろ景気後退期は ①消費者が節約志向 → ディスカウント店 (コスモス) に流入 ②化粧品 (高単価) は影響受けるが、医薬品・食品で相殺。長期保有に向く業態です。

Q. ウエルシア・ツルハ統合は業界をどう変えますか?

A. 統合後の合計売上は約 2兆円、業界 No.1 のメガドラッグストアに。規模拡大の効果: ①PB 商品開発力強化 ②仕入れ価格交渉力 ③物流統合 ④店舗網の地域補完。中堅 (コスモス、スギ、マツキヨココカラ) は対抗策として更なる M&A or 独自戦略 (PB 強化、調剤特化) が必要に。業界の二極化が進行します。

Q. ドラッグストアの成長余地はまだありますか?

A. まだあります。①医薬品 OTC 市場は緩やかに拡大、②食品・日用品でスーパー・コンビニからシェア奪取継続、③出店余地 (人口減でも未飽和エリア多い)、④オンライン処方箋・服薬指導の事業機会、⑤海外展開 (アジア)。年率 3-5% の市場成長は今後 5-10年継続見込み。長期保有候補の業態です。