市場指標

騰落レシオ

Advance/Decline Ratio

騰落レシオは、市場全体の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率を示す指標で、市場のセンチメント(過熱感や悲観度)を測ります。通常は25日間の移動平均を使い、「過去25日間の値上がり銘柄数の合計÷値下がり銘柄数の合計×100」で算出されます。

計算式

騰落レシオ(%) = 値上がり銘柄数の合計(25日) ÷ 値下がり銘柄数の合計(25日) × 100

見方・判断基準

100%が均衡点で、値上がりと値下がりの銘柄数が同数であることを示します。120%を超えると「買われすぎ」、70%を下回ると「売られすぎ」と判断されるのが一般的です。

130%以上過熱(天井圏の可能性)
120〜130%買われすぎ
80〜120%通常レンジ
70〜80%売られすぎ
70%未満悲観(底値圏の可能性)

実際の使い方

逆張り指標として使われます。騰落レシオが極端に高い(低い)水準に達した場合、相場が反転する可能性が高まります。ただし、騰落レシオ単独ではなく、VIXや出来高、信用倍率なども併せて総合的に判断しましょう。

注意点

強いトレンドが続いている場合は、騰落レシオが「買われすぎ」の水準で長期間推移することがあり、逆張りが早すぎるリスクがあります。あくまで相場の過熱度を測る補助指標として活用しましょう。

騰落レシオの意義と相場の過熱感

騰落レシオは、市場全体の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率を指数化した、テクニカル分析の代表的指標です。「市場全体の過熱・冷え込み」を測定し、逆張りの判断材料として 1950年代から米国で広く使われてきました。 計算式: 騰落レシオ = 過去 N日間の値上がり銘柄数合計 ÷ 過去 N日間の値下がり銘柄数合計 × 100 日本では 25日騰落レシオが最もよく使われ、東証プライム市場 (約 1,600銘柄) の値上がり・値下がり数を集計します。 歴史的水準: ・70 以下: 売られすぎ、買い場のサイン ・80-100: やや弱気 ・100-120: 中立水準 (理論値 100) ・120-140: やや強気 ・140 以上: 買われすぎ、警戒水準 ・170 以上: 異常な過熱、調整リスク高 騰落レシオは「指数 (日経平均) では見えない、市場全体の動向」を捉える点で重要です。日経平均が一部の大型株 (ファーストリテイリング・ソフトバンク・東京エレクトロン) で上昇していても、騰落レシオが低ければ「全体相場は弱い」と判断できます。

騰落レシオ × 株式市場の動き

**騰落レシオ 70以下 (売られすぎ)** 歴史的に底値圏と重なった例: - 2008年リーマン: 50台まで急落 → 半年後に底打ち - 2015年8月: 60台 → 2-3ヶ月後反転 - 2020年3月コロナ: 50台 → 1ヶ月後 V字回復 - 2022年: 70前後 → 数ヶ月で反転 歴史的パターン: - 騰落レシオ 70以下 + VIX 30 超は過去の主要な底値圏と重なることが多い - この種の検証は個別株より TOPIX・日経平均など指数ベースで行われるのが一般的 - シグナルの一致から実際の反転までは時間差があるケースも多い **騰落レシオ 140以上 (買われすぎ)** 過熱感、調整リスク: - 2017年末: 150超 → 翌年早々に下落 - 2024年初: 150-160 → 春先に調整 - 短期的な過熱で 1-2週間以内の調整可能性 戦略: - 利益確定検討 - 信用買い残のチェック (高い水準だと売り圧力) - VIX が低い場合は油断警戒 **騰落レシオ 100前後 (中立)** 積極的に何もしない: - トレンドフォロー戦略を継続 - ファンダメンタル分析に集中 - 個別銘柄の選別に注力

騰落レシオ × 他指標で精度向上

騰落レシオ単独では誤シグナルが多いため、他指標と組み合わせます: - 騰落レシオ × VIX: 騰落レシオ 70以下 × VIX 30超 = 強い買いシグナル (二重の極端) - 騰落レシオ × 信用倍率: 騰落レシオ 70以下 × 信用倍率 1倍以下 = 売り尽くしサイン - 騰落レシオ × 出来高: 騰落レシオ 70以下 × 出来高急増 = セリングクライマックス (大底のサイン) - 騰落レシオ × 日経平均: 騰落レシオ高い × 日経平均下落 = 大型株主導の下落 (相場全体は健全) - 騰落レシオ × TOPIX: 個別銘柄レベルの動向を確認 - 騰落レシオの 25日 vs 6日: 期間別で短期・中期の過熱感の差を見る 「全体相場の過熱感」と「個別銘柄の動向」のバランスを見ることが、騰落レシオ活用の本質です。

騰落レシオの落とし穴

①強トレンド中の機能不全 強い上昇トレンドの中では、騰落レシオが 140-170 の高水準で長期間推移することがあり、「逆張り早すぎ」のリスク。2017年、2024年早期がこの典型例。 ②大型株偏重市場との乖離 日経平均が大型株 (ファーストリテイリング、ソフトバンク、東京エレクトロン) の動向で動くため、騰落レシオ (全銘柄平等) と乖離することがある。 ③季節要因 12月の権利確定日、3月の決算月、配当落ち日などで一時的に騰落数が偏る。 ④市場区分の影響 プライム、スタンダード、グロースで動向が異なる。総合だけでなく区分別に見るのが理想。 ⑤短期過熱の罠 騰落レシオ 140-150 で「過熱」と思って売っても、180-200 まで上昇することもある。1日や 2日の極端な数字に過剰反応しない。 ⑥長期投資への影響限定 長期投資家にとって騰落レシオの短期変動は影響が少ない。むしろ騰落レシオを毎日見ることで「逆張りトレード」に走り、長期戦略を崩すリスクあり。

投資戦略における活用

**逆張りトレーダー視点** - 騰落レシオ 70以下 + 他指標も極端 = 短期反発狙いの買い - ターゲット: TOPIX、日経 ETF、特に売り込まれた業界 (例: 半導体、自動車) - ストップロス設定: -5% - 利確: 騰落レシオ 100超で部分利確、120で全部利確 **ポートフォリオ管理視点** - 騰落レシオ 140超 = リバランス時期 (利益確定で目標配分に戻す) - 騰落レシオ 70以下 = 買い増し時期 (積立投資で割安拾い) - 騰落レシオ 100前後 = 通常の運営、特別なアクションなし **個別株選別視点** - 業界の騰落レシオが極端 → その業界の銘柄に注目 - 業界の動向が個別株の動向に反映されているか確認 - 業界全体の過熱で個別株も連動売りの局面では、優良銘柄の押し目買いチャンス 騰落レシオは「市場のセンチメント」を測る便利な指標ですが、単独使用は危険です。VIX・信用倍率・出来高との組み合わせで使うのが定石です。

よくある質問

Q. 騰落レシオ 70 で買い、140 で売り、というルールでうまくいきますか?

A. 機械的なルールでは長期的にうまくいきません。理由: ①強トレンド中は 140-170 で長期間推移、早すぎる売りで利益取り逃し ②弱気相場中は 70 以下が続き、買いタイミングが早すぎる ③大型株主導の相場では騰落レシオと指数が乖離。実用的には「騰落レシオ + VIX + 信用倍率 + 出来高」の総合判断が必要です。

Q. 日本の騰落レシオはどこで確認できますか?

A. マネックス証券、SBI証券などのチャート機能、Yahoo!ファイナンス、株探、TradingView などで無料確認可能。データは JPX (日本取引所グループ) が日次集計、各サイトが翌営業日に表示します。25日騰落レシオが最も標準的ですが、6日 (短期)、75日 (中期) も併用すると精度向上。

Q. プライム・スタンダード・グロースで騰落レシオは違いますか?

A. 通常はプライム市場 (約 1,600銘柄) ベースが「東証騰落レシオ」とされます。グロース市場 (新興企業) は値動き荒く、騰落レシオの振れ幅大。スタンダード市場は中型株中心で、プライムよりやや遅行する傾向。投資対象に応じて使い分けますが、市場全体のセンチメントを測るならプライム市場の数字を使うのが定石です。

Q. 騰落レシオ 30 以下になることはありますか?

A. リーマンショック級の極端な暴落でのみ発生する稀少な水準です。2008年10月、2020年3月のコロナショックでも 50台が限界でした。30 以下の歴史的記録は 1965年証券不況、1990年バブル崩壊初期程度。もし発生したら歴史的買い場確実ですが、現実的にはまず見られない水準です。

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出典・参考

本記事の内容は上記出典に基づき作成したものであり、投資助言を目的とするものではありません。 投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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